2013年05月30日
ネパールへの旅 vol.23 パティパシュナート寺院
3月15日(金)
パシュパティナート
カトマンズにあるシヴァ神を祭るネパール最大のヒンドゥー教寺院。
シヴァが滞在したとの言い伝えのあるこの地は、
はるか1500年以上も昔から巡礼の地となっており、
ヒンドゥー教が国教であるネパールでは最高の聖なる地である。
寺が面しているバグマティ川には、隣接した火葬台を複数備える火葬場があり、灰は川に流される。
バグマティ川は、ヒンズーの聖地である。
インドのバラーナシを流れるガンジス河に通ずる支流にあたるため、ここのガートで荼毘に付せば
母なる大河ガンガーへと戻ってゆくと考えられている。
ネパールに来て、今日でもう13日目。
明日の夜は、日本へのフライト。まる一日過ごすには最後の日になった。
眠たそうな息子を起こし、早朝からパシュパティナート寺院に向かう。
カトマンズで最も訪れたかった場所であり、最もネパールらしく、日本の日常から
かけ離れたものが、そこに行けば見れるような気がしていた。
川原で焼かれる遺体の姿や肉の焦げる匂いを、息子と共に体感したいと思った。
そんな悪趣味な好奇心の意味を問われても、上手くは答えられないのだが・・・。
神の存在や死について、18歳の息子がどう考えているのかはわからない。
聞いてみたいともあまり思わないし、そのような事について、
二人で話し合う機会はこの先も一生ないかもしれない。
「ジョジョの奇妙な冒険」へのオマージュらしい。
息子を旅に誘った理由は沢山あった。
どんよりと平和な日本の地方都市に暮らし、ゲームとアニメと漫画に浸かりきった、
彼の脳みそに、体験したことのない異物な刺激を与えたかったのもそのひとつ。
4月から家を出て社会人としての生活が始まり、そして過酷な訓練が待っている。
常に自己判断が問われ、行動にリスクが伴う旅の日々を過ごすことで、
少しでもタフになって欲しかった。
そういう意味では、オヤジがまったく旅慣れていないことが、思わぬ功を奏したようだ(笑)
みんなでラジオ体操?
残念ながら、パシュパティナートは全くといって厳かな場所ではなかった。
遺体を焼いている人たちはなく、修行をしているサドゥーもいなかった。
そこら中で、バトミントンやジョギング、筋トレやストレッチなどをする地元の人たち。
すっかり市民の憩いの広場といった感じである。
ヒンズー教徒しか入れない場所がいくつかあって、その中は興味深い様子だったが・・・。
もしかしたら夕方に来ていれば、また違った景色が見れたのかもしれない。
ここにも我がもの顔のサルたちがたくさんいた。がっかりしながら帰路につく。
昨日の朝と同じ店で、オムレツサンドとカプチーノを食べる。美味し。
息子の買い物につきあって、街にでかけた。セト・マチェンドラナート寺院にて
帰り道にビールを、息子はチョコウェハースとレッドブルを買って、ゲストハウスの屋上に上がった。
強烈な真昼の日差しに目を細めながら、殺風景なカトマンズ市内をぐるりと一望し、
旅の終わりを思って、感慨深くなる。
そろそろ息子も私も、旅に倦みだしてきたようだ。またお互いに口数が少なくなった。
ネパールに来て初めて名物料理のモモを食す。ネパール版ギョウザ、皮が分厚いのが難点。
晩飯までの時間をもてあまして、街をぶらつく。日本の古本屋でマンガを吟味する息子。
「カメレオン」というヤンキー漫画と「セーラームーン」の2冊を買っていた。なぜにそのセレクト?
私とは漫画の趣味がまったく合わない。
最後の夜も日本料理に(笑)、「ふる里」というしぶいネーミングの店で。
ネパール最後の晩飯を、ツボルグで乾杯。
しかしツボルグはよく飲んだ、思い出のビールになってしまった。
ウタが「ナマズの蒲焼き」、「砂肝焼き鳥」、「白ご飯」を、
私が「親子丼」と「焼きなす」を頼んだ、店員のネパール女子が元気でいい感じだ。
あいかわらず、貪るようにがっつきながら食べる息子を見て、
「まぁ、ゆっくり食べなぁよ」と、この旅で十回以上言ったセリフを繰り返す。
息子は、まったく意に返す様子もなく「カツ丼も頼んでいい?」
モノの食べ方については、他人のことをまったく言えない私だが、
あまりにも見映えが悪く、一緒にいるのが恥ずかしいのでやめてくれ!
と言おうとしたが、止めておいた。
「どうしても、ゆっくり食べれやんのか?」と抑えて聞く。
「無理!」
「そうですか・・・」、以前の私ならキレていた場面だろうな(笑)
このあと、地元のバンドが演奏している「ロック・バー」にでも行って、最後の夜を
共に酒でも飲もうと思っていたが、それも止めておく事にした。
カトマンズに来たばかりに行ったバーでのポップコーンの件も思い出して、
「十年早いな」とまた独りごちる。
今夜はとことん飲んでやろうと思っていたが、そんな気分でもなくなった。
明日も早起きして、「ボダナート」というチベット仏教の聖地に行くことにしよう。
当初は行くつもりもなかった場所だったのだが。
次号につづく・・・
だって三木さんのブログ読んでいるだけでも私には現実離れした世界で そこにもし私が存在できたら凄いカルチャーショックで立ち上がれそうにない気がします…。どんな意識の変化が起こるのかなって思います。
けれど、勇気をだして前に進むこととは、今の自分とまったく違う自分を創り上げることができるのかもしれない…違う自分が、もしかするとそこにあるのかもしれないってことが頭をかすめます(^^)
…といっても、その勇気はないですが(^^);
いでたち
(カッコ)いいですね(〜〜)!
オシャレに興味ないと云いつつも
センスよろしい♪
僕に関しては、あまり前と変わってない気もしますが・・・どうなんでしょね。息子にとっては大きな経験だったと勝手に思っています。
情けない裸の自分と向き合えたことも大きな収穫だったですね~^_^;
shimonさん
そうですかね?本人に会ったら伝えときます!