2013年05月17日

ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ


3月13日(水)


あまり眠れないまま、二時間ほどの浅い眠りで朝を向かえてしまった。


今日は朝7時のバスに乗り、カトマンズに出発する予定になっている。



私の枕元になにやら袋が置いてあり、中を開けてみるとナイフが入っていた。


どうやら息子からの誕生日プレゼントのようだ。


昨夜はこれを買いに行ってたのか。拙い英語で値段交渉する息子の姿が眼に浮かぶ。


パンツ一丁のままこっちに尻を向けて寝ている息子を眺め、


これがツンデレっていう奴なんかなと笑ってしまった。


男にしておくのは惜しいな、なかなかおっさんの扱いに長けてるやないの。



よし!今日も天気がよさそうだ。43歳の誕生日はいい感じでスタートした。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

現地では「ククリ」と呼ばれ、英語ではグルカナイフというらしい。山のテント泊に持っていこう。



今日もまた、共産主義者たちによる強制ストライキが行われるようだ。


バスが定刻に出発できるかどうかも怪しいとの事。


まぁどちみち今日は移動日だから、夜になってもカトマンズにさえ着ければいいのだが・・。


徒歩で移動するため、早いめにゲストハウスを出発したが、


大通りでこっそり客を待っている、モグリのタクシーを捕まえた。


相場の三倍くらいの値段だったが仕方がない。



せわしなく周りをキョロキョロしながら、急発進するオンボロタクシー。


大通りを歩く人達や自転車を縫うようにして走りながら、飛ばしまくる。


まるで犯行現場から逃げる窃盗団のようだ。


マオイスト達の投石を恐れているのかもしれないが、ドライバーは変にテンションが高い。


無事バスターミナルに到着、歩けば結構な距離だったのでラッキーだった。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

まだ新築に近い「空ゲストハウス」、部屋も清潔でポカラに行く人にはぜひオススメです。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

ネパールに関する本も出版している山岸さんとかわいい顔のクリシュナさん、お世話になりました。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

またバンダでタクシーがなく、歩いてバスターミナルに向かう。焼きたてのチョコパン美味し



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

色とりどりのバスターミナル。



どうやらマオイストが先導する強制ストライキで、9時にならないと出発できないと言う。


所在なく二時間をやりすごす、こんな遠くに来てまでも赤い大国の影響を受けてしまう事に


うんざりしてしまう。この先息子の仕事にも大きく影響してくる存在でもある。


もちろんすべての日本人にも。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

休憩で止まったドライブインで、標高400mくらいのこのあたりはまるで南国のような暑さだった。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

日差しの強さがあきらかに日本とはちがう。色ひとつひとつが鮮やかでなにやら心がざわつく。



荒れた路面の凸凹でカラダを上下に揺すられながら、窓を開けてのどかな風景を眺めた。


座席には余裕があって、息子は反対側の窓際に座り首をふられながら器用に寝ている。


ネパールだけじゃないのだろうが、南国の光は人を安心させるやわらかさを感じる。







そしてまた、土埃と排ガスとクラクションもなんとなく懐かしいカトマンズに帰ってきた。


「シェリーチベットゲストハウス」に連泊する事にして、スーザンとの再会を喜び合った。


あいかわらずファンキーで陽気な兄ちゃんだ。笑顔がかわいい。



四階の眺めのいい部屋に、荷物を降ろしてベッドに腰をかけるやいなや、


眼鏡をバスに落としてきたと息子が言う。


そういやバスから降りてくるのが変に遅かったのは、眼鏡を探していたからだったのか。


「なんで、あの時言わんねん!一緒に探したのに」と思わずカッとなりかけてしまったが、


ここは冷静になり、とにかくフロントに行ってスーザンやスタッフ達に相談しようと提案した。


「コンタクトがあるから別に要らんと思った」、「べつにもうなくてもいいやろ」という息子。


メガネはお前のお金で買ったものじゃないし、帰ってから新しく買うのも自分の金じゃないだろう。


そう思ったが、息子には言わずにおさめた。


来月から自分で稼ぐようになったら、ありがたみがわかるだろう。たとえ何千円のメガネでも。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

写真が趣味だという大阪のナツコさん、スーザン、人ごとみたいな息子



フロントのスタッフ達は、「俺達にまかせてくれ」とバスの切符を頼りに


いろんなところに電話をかけてくれ、どうやら郊外のバスターミナルに私らが乗ったバスが


止まっていることをつきとめてくれた。


「よし、いまからターミナルに行こう」とスーザンが案内してくれると言う。


ハプニングもなんか楽しくなってきた。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

何回も電話をかけたり、ガードマンに尋ねてくれるスーザン。すっかり他人事のようなバカ息子(笑)



途中、大阪出身だという一人旅の女子と出会う。二ヶ月近くもネパールを旅して今夜日本に帰る


らしい。ほんの十分程度だったが、タフで明るい彼女の話は面白かった。


大阪で写真の個展をするかもしれないそうで、その時はぜひにとサヨナラをした。


ネパールに来て初めてまともに日本の女子と出会えたなぁ、と息子に言う。


「まぁこれもメガネをなくしたおかげかな」、頭ごなしに怒らなくてよかったなと思った。



ネパールへの旅 vol.21 再びカトマンズへ

窓からの景色、夜になると快適に涼しい。前のディスコ?の大音量に悩まされる・・・。



スーザンやスタッフのおかげで無事メガネも返ってきて、めでたしめでたし。


晩飯は、近くにある「桃太郎」カトマンズ本店。軟弱だがもう日本食から離れられない(笑)




次号につづく・・・




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この記事へのコメント
この旅で大人になったのは
どうも
たけしさんの方のようですね(〜〜)
Posted by shimon at 2013年05月18日 08:01
shimonさん

うぅ、自分でも書いていて思っていたことを・・・(-_-;)
Posted by タケシタケシ at 2013年05月18日 10:00
知らぬ間に、知らぬ間に!
ネパールとは!
憧れの地にいけて、よかったね(*^^*)
そして、元気に帰ってこれて
おかえりなさい。
Posted by あず坊 at 2013年05月19日 02:32
あず坊さん

ありがとう、ただいまです!次はモロッコの迷宮のような街に紛れ込む自分を想像してます。行きたいところが沢山ありすぎて困るね、生まれてまだ買ったことのない宝くじでも買ってみようかな。
Posted by タケシタケシ at 2013年05月20日 01:41
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