2013年05月08日
ネパールへの旅 vol.18 トレッキング最終日
3月11日(月)
4:30頃起床、昨夜の雨もあがり、満天の星空が綺麗だった。
本日は6:00に出発して、日没までにポカラの街まで戻る予定。
今日は長い距離を歩く、ハードな一日になりそうだ。
気合を入れて、まだ薄暗い中バンブーを出発!
トレッキングポールを二本持ってきていれば今回の山行はもっと楽チンだっただろう。せめて杖
がわりの竹の棒をゲットした。細くて頼りなさそうだが、これが階段で威力を発揮する。
行きは長い下りだったチョムロンの果てしない階段を、汗まみれのフラフラで登りきった。
地図上では、おそらくこれが最後の登りである。実際そうだった。
今日で、風呂に入らずに3日目になった。自分の頭皮からは懐かしい香りが漂ってくる。
風呂なしボロアパートで極貧生活をしていた頃を思い出す。あの頃はバブルの
真っ最中だったのに、なんであんな暮らしになってたんだ?
標高が下がっていくごとに、周りの景色が南国に変わっていく。
気温と湿度も忠実に上昇していく。
ポカラに着いて、風呂に入るのが楽しみだ。そのあとのビールも!
近くに温泉があるジヌー(1300m)という集落のゲストハウス、花や木々も南国風になってきた。
ジヌー近辺。誰かの粋な計らいで、いかにも美味しそうな湧き水。飲まずに塩でざらつく顔を洗った。
モディ川沿いの長閑な道を、出発地ナヤプルに向かってひたすら下っていく。途中に乗合ジープが
集まる集落があるとの情報だが・・。
ヤギの子供?
少し先の方に、ジープが集まっているのが見えた。地元らしき人たちも大勢いる。
途中に出会って、追い越したり追い抜かれたりしていた白人のお兄さんに、
よかったらポカラまで乗合いジープをシェアしないか、と話をもちかけてみる。
我々は英語がダメなので、値段の交渉をお願いすると、快く引き受けてくれた。
互いに1000ルピーづつの2000ルピーで交渉成立、うまく物事が進むもんだ。
車内には、おそらく十代くらいの男女ばかり乗っていて、
定員五人ほどの四駆に、数えてみたら12人も載せている(天井にもひとり!)
訳のわからないネパール語で急き立てられながら、
我々三人は、椅子のない荷物置き場に詰め込まれた。
シャイで無口なタランティーノ?似の青年と、単独で静かなトレッキングを楽しんでいたようだ。
ドライバーの若者は予想通りの激しい運転で、むやみに追い越しむやみに飛ばしまくる。
タランティーノは不安そうな顔で前方を見つめていた。
となりに座った女子が、次から次へと慌ただしく音楽をチェンジする。
どれも同じような曲に聞こえるが、これがネパールの若者に流行ってるのだろうか。
すぐ前の座席には、彫像のように整った顔をした美人の二人組が乗っていた。
不機嫌な表情で、一言も喋らずまったく周りも見ようともしない彼女達のクールな横顔を
チラチラと遠慮がちに見るオヤジな私。美少女には不機嫌な顔がよく似合う。
まだまだ日差しの明るい、16:00頃にポカラに到着。
連絡をできないままだったが、「空ゲストハウス」の夫妻は、突然帰ってきた
汗と土ぼこりだらけの我々を温かく笑顔で迎え入れてくれて、
無事トレッキングが終了した事を喜んでくれた。
こうしてとりあえずこの旅のメインである、アンナプルナB・Cトレッキングは幕を閉じた。
神々しく壮大な景色と、どうしようもなく人間的で小さく情けない我々親子との
コントラストは、間違いなく生涯の思い出になったと思う。
何年後かに、酒を酌み交わしながら笑って語れる日がくるだろうか。
ゲストハウスの玄関で、お気に入りのビール「ツヴォルグ」で乾杯!山の神々に感謝を。
高級日本食レストランで焼き鳥や串カツをむさぼり食う息子、私はしょうが焼き定食をがっつく。
ひさしぶりの和食に興奮気味の親子だった。
旅はこの後、再びカトマンズへ。
すこしダラダラ気味になってきましたが、よかったらこの後も読んでくだされば幸いです。
次号につづく!